前回までは交流分析におけるPACモデルの各キャラクターについて述べてきましたので、この辺で一度交流分析の原点に還ってみたいと思います。
当サイトの名称は「交流分析とNLP」ですから、今回は交流分析とNLPの関係・・・交流分析とNLPが密接に関わり合っている活用の場についてのお話です。
交流分析もNLPも、心理療法の一種であり、コミュニケーション方法のひとつであり、仕事や生活に深く関係してくるものです。
特にNLPともなると最近はビジネスの場でも活用されてきていますが、交流分析もNLPも人が成長し人生を歩んでいくための大切な要素にもなります。
例えば、育児や教育の場における交流分析とNLP。
以下は、NLP協会の認定NLPトレーナーや交流分析学会の会員など、いくつかの資格を有している人の考えによるNLP及び交流分析の活用です。
NLPや交流分析に関する資格を持っているからこそ、NLPや交流分析の活用を考えられるとも言いますが・・・
その人はもともと児童養護施設で働いていました。
NLPや交流分析に関する資格を取得したのは仕事の一環としてNLPや交流分析が役立つと考えたためですが、NLPや交流分析を深く知ることによって子育て支援の在り方について深く考えるようになったそう。
その人が言うには、子育て支援とはすなわち親支援であるという。
子育ては大変なことですが、そう考えて諦めてしまうのではいけません。
ポジティブな考え方や肯定的な価値観を持ち、また親自身が活き活きと活動することで子育てやお子さん自身に良い影響を与えます。
そんなポジティブさの支援のために、NLPや交流分析を活用し、また紹介する必要があると考えているのです。
TAとは「Transactional Analysis」の略で、これの意味は「交流分析」。
交流分析はTAとも呼ばれており、これら両者は同じものを表している・・・というのは広義には確かにその通りですが、厳密には間違いがあります。
交流分析の創始者はエリック・バーン氏ですので、当然その当時は日本語で「交流分析」ではなく「Transactional Analysis」と呼ばれていました。
これが日本に伝わり研究を重ねていくうちに、英語ではなく日本語で「交流分析」と呼ばれるようになったのです。
そのため、TAとはエリック・バーン氏が考案したものであり、交流分析とはそれに日本の考えを織り交ぜたものを指すのだとも考えられます。
TAと交流分析を別物として考えるなら、TAこそが本流であり、しかし日本人に合うのは交流分析だということにもなるでしょう。
TAと交流分析には明らかに異なる点がいくつかあります。
例えば、自我状態(子供)の表記の仕方ですが、TAでは「Natural Child(NC)」と書き、交流分析では「Free Child(FC)」と書きます。
目に見えて判る違いでは、エゴグラムの書き方が、TAでは棒グラフ、交流分析では折れ線グラフとなっています。
・・・なるほど、日本人としては「Free」と表現したり折れ線グラフの方が判りやすかったのかもしれませんね。
人間は育った環境によって精神状態や習慣が違ってくるものなので、国が違うとなると学問でさえ大きく変容します(お国柄というものです)
基本的な土台は同じだとしても、交流分析やNLPといった心理学ともなると変化も顕著になってもおかしくはありませんからね。
また、交流分析やNLPを始めとした心理学の多くはアメリカを発祥としているので、それらを元に日本人に合わせて変化させられるのも珍しいことではありません。
交流分析について勉強中の皆さん、こんにちは。
これまで、交流分析のいろいろなことについてご説明してきましたので、ここで一旦、交流分析とは何かについて、おさらいしてみたいと思います。
こういった基本的なことは復習しておかないと意外と忘れがちなことですので、たまには振り返ってみましょうね。
・・・では、交流分析とは。
交流分析とは、英語では「Transactional Analysis」と呼び、略称として「TA」とも呼ばれています。
交流分析の創始者はエリック・バーン氏。
エリック・バーン氏は精神分析の創始者であるフロイトの弟子でもあります。
交流分析はコミュニケーション理論を含む心理学の一種。
その内容を簡単に説明すると、これまでにも何度も取り上げた「親としての心」「子供としての心」「成人としての心」の3種を分析していくものです。
心理学の一種とはいえ、交流分析は他の臨床心理学とは明らかに異なる点がいくつかあります。
交流分析の特徴でもあるのですが、まず対人関係(コミュニケーション)を扱うこと。
そして重要なのが、個人の生き方について説明していることです。
ただ、これらから分析して導き出せる問題にどう対処していくかを考えるのは、どの心理学とも共通する点でしょう。
エリック・バーン氏創始当時、例に違わず交流分析は発展途上の心理学でした。
もちろん、今も発展を続けていることには変わりありませんが、様々な経緯を経て、現在交流分析は次の3つの流派があります。
1・古典派
「成人の心」を重視しており、エリック・バーン氏の考えに忠実に沿っています。
2・再決断派
「子供の心」を重視しており、ゲシュタルト療法を交流分析に統合しています。
3・カセクシス派
「親の心」を重視しています。
しかし、最近では分派よりも再統合していく傾向にあるようです。
心理療法で有名な交流分析。
単語は聞いたことがあっても、その内容をよく知らないという人がほとんどでしょう。
交流分析とは、成長するにつれて変化してきた人格を踏まえた心理療法です。
交流分析によく用いられるモデルに「PAC」というものがあります。
PはParent、AはAdult、CはChild。
このモデルを使うと人の行動や言動、また感情の表し方などを明確に区別することができ、それが交流分析の第一歩となります。
交流分析の活躍の場は多岐に渡ります。
コミュニケーション理論として考えると、会社組織の分析方法としても使われます。
また、子供の成長や発達、多種精神疾患の治療、個人から家族・友人関係などグループ間のセラピーなど。
治療以外にも、コミュニケーションの手法としてや、コンサルティングやマネージメントの分野にも応用されています。
交流分析にはまず上記したPACモデルを用いますが、それらをもとに、構造分析、交流パターン分析、脚本分析、ゲーム分析等が行われます。
交流分析には、いくつか提唱されている概念があります。
そのうちのひとつが、人間の人生を脚本と考える「人生脚本」というもの。
この概念では、人生の過ごし方に疑問を持った場合、その答えを見出すために利用されます。
精神病理学の理論としては、交流分析に用いられる脚本は、苦悩や自虐的行動といった精神的な障害を証明するにあたて有効とされています。
そのため、うつ病など心の病の治療に交流分析療法が注目されています。