交流分析・・・AC

PACモデルの各キャラクターについて。
今回は5つあるキャラクターのうち最後のひとつである、ACです。

【AC・・・Adapted Child】

ACの「A」にあたる「Adapted」には順応や適応といった意味があります。
直訳すれば「順応する子供」ということになるので、周囲に溶け込みやすいとか、社会的に協調しやすいといった良いイメージを受けるかもしれません。
確かに、大人であれば協調性があるということは何かとプラスの方向に働くかもしれませんが、これが子供ともなるとそうはいきません。

周囲からは協調性があるように見えていても、子供は本来の感情を抑えているだけなのです。
大人の期待に応えようと、またはなるべく目立たないようにおとなしくふるまい、我慢し、大人にとって理想的な自分を作り上げて“良い子”を演じ、何かあれば他人ではなく自分を責めて、自虐に陥る・・・これが、ACの正体です。

交流分析のPACモデルの中でも、ACについて調べてみると、ほぼ必ずこのようなマイナスのイメージばかりが例に挙げられます。
決してACが悪いというわけではないのですが、大人でもACの自我状態が強いとストレスを抱え込むことになってしまうため、カウンセリングでストレスを誰かに相談したりして根底にある問題を解決するように努めたいところ。
協調性があるつもりで、実は感情を抑えているだけ・・・なんてことはないでしょうか?

前回説明したFC(Free Child)が子供にとってプラスの明るいイメージなら、こちらのACはそれとは真逆のイメージ。
また、両親から受けるなんらかの影響によって、人間のACは強くなるとも分析されています。

交流分析・・・FC

さて、前回までにご説明した交流分析のPACモデルのキャラクターはCP、NP、そしてA。
これらはそれぞれタイプは異なりますが、どれも“大人”という共通点がありました。
残るFC、ACはどちらも“子供”の自我状態を表すタイプです。

【FC・・・Free Child】

子供の自我状態を表すふたつのタイプのうち「FC」とは「Free Child」のことで、その名のとおり自由な子供を意味しています。
自由さを言葉で表現するなら、自由奔放、天衣無縫、天真爛漫、快活、感性が豊か、好奇心旺盛、直観的、チャレンジ精神に満ちあふれている、などなど・・・
これだけでもお判りかと思いますが、子供としては理想的なタイプですね。
皆さんにもしお子さんがいらっしゃいましたら、このような自由さにあふれた子供に育ってほしいと思うことでしょう。

ただし、長所があれば短所もあるもので、他には次のように表現することもできます。
我儘、自分勝手、自己中心的、などなど・・・
自由奔放なのは良いことですが、例え子供であってもそれが強すぎるとこのような短所として捉えられてしまいますね。
そんな自我状態が「FC」です。

本来、人は生まれながらにしてこのFCを持っているものです。
5つあるキャラクターの中でどれがもっとも自然な状態かというと、このFCに他なりません。
しかし、育つ環境によってACが植え付けられたり、成長するにつれてAが強くなったりと変わっていきます。
各キャラクターのどれが良くてどれが悪いと言えるものではありませんが、大人になってもこのFCだけは忘れないでいられたら理想的なのかもしれません。

交流分析・・・A

みなさん、おはようございます。
現在、交流分析について述べている当サイトでは、PACモデルの各キャラクターひとつひとつについて詳しく(?)述べている最中です。
前回までにCPとNPについて述べましたので、今回はAについて。
CP、NP、Aはどれも大人としてのキャラクターではありますが、CPとNPは内容は違えどどちらも親心を表現しているのに対し、Aは親心を排除した上での大人的な考え方表現しています。
それらの違いを考えて比べると面白いかもしれませんね。

【A・・・Adult】

以前はこのAについて「冷静で客観的」と説明させていただきました。
他にも付け加えるなら、次のような単語で説明できます。
冷静、客観的、合理主義、論理的、更に言うならコンピューター的思考(笑)などなど・・・

「厳格な父親」であるCPにも似た部分がありますが、大きな違いを挙げるとすれば、Aは個人的な感情がほとんど入り込まないことが挙げられるのではないでしょうか。
CPは厳格さ、NPは優しさ、FCは奔放さ、ACはおとなしさと表現でき、それらはそれぞれ特定の感情によって作り上げられる特徴ですが、Aの場合は真っ先に冷静さと表現されるので、まずは自分の感情を切り捨てることから始まるのですね。
感情的な判断は行わずにデータの中から結論を導き出す、それがAであり、冷静で客観的な大人のキャラクターなのです。

Aが高い人は自分の感情に左右されることなく、より良い方法を取ったり全体的なバランスを考えて行動することができるため、ビジネスの世界においては特に理想的と言えるかもしれませんね。
ただし、人付き合いの上では敬遠される存在かもしれません。

交流分析・・・NP

こんにちは。
NLPと関係が深い交流分析について述べるページです。
ただいま、PACモデルの各キャラクター(CP、NP、A、FC、AC)それぞれについて説明しています。
以前にも簡単に説明したことがありますが、ひとつひとつに焦点を当てて詳しく考えていきましょう。

【NP・・・Nurturing Parent】

「nurturing」とは、養育や育成といった意味の「nurture」の現在進行形で、「養育的な」といった意味になります。
CPと相対するものとして、あちらがよく“厳しい父親”と表現されるのに対し、NPは“優しい母親”と表現されています。

5つあるキャラクターの中では、NPが他に比べて高いと理想的だという考え方があります(もちろん、他が極端に低いのもいけませんが)
キャラクターはCPから順に折れ線グラフに表すことができますが、その線が「へ」の字になっていると、その人は「健全タイプ」であると考えられるのです。

ですが、キャラクターそれぞれは高ければ(または低ければ)良いというものではなく、どれもほどほどが良く、他キャラクターとの組み合わせやバランスにもよります。
NPがほどほどであれば、その人は愛情深く思いやりがあり、余計な口出しはせず、しかしアドバイスは与えて見守ることができ、心が広く温かいと言えるでしょう。
しかし、極端に高ければ、その人は愛情深いというよりもただ過保護なのであり、口出しをしないのは関わろうとしないだけであり、アドバイスはお節介であり、見守っているつもりが甘やかしているだけ、ということになります。
周囲の者には他人への関心が低いとも感じられるのですね。

交流分析・・・CP

交流分析やNLPについて勉強中のみなさん、こんにちは。
NLPセミナーなどで交流分析を知りつつあるみなさん、こんにちは。
今回からしばらく、交流分析の基本中の基本であるPACモデルの各キャラクター(CP、NP、A、FC、AC)について述べていってみたいと思います。
まずは、それらのうちの「CP」について。

【CP・・・Critical Parent】
「Critical」には「批判的な」といった意味があります。
親としての感情にも優しい側面と厳しい側面がありますが、CPはそのうちの厳しい側面を表しています。

CPの特徴としては、人生に対して厳しく構えている分、理想を抱きながらも現実を見据えてしっかりとした目標をもち、着実な行動を起こそうとすることが挙げられます。
固い信念があり、正義感も強いので、他者からも頼られるリーダーシップのある人と言えるでしょう。

しかし度が過ぎると、自分の考えが正しいと思うあまり他人に対して必要以上に厳しくなってしまいます。
それが「Critical」の意味通りの最も批判的な側面であり、また支配的、さらに言い換えれば単なる頑固とも表すことができます。
また、自分が持つ価値観を絶対と思う節があり、固定観念も強く抱きがちです。
頑固な人ほど、人それぞれの個性をなかなか受けいられない・・・そんな人を見たことはありませんか?

かといって、CPが低ければ良いのかというと、そんなはずはありません。
CPは自分に対する厳しさでもありますので、これがないと自分に甘いということになります。
信念も低いので周囲の影響ばかりを受けて、自分の意見を貫き通せなくなってしまうでしょう。

交流分析・・・PACモデルの利用方法

交流分析の専門家でなくとも、PACモデルさえ知っていればそれを利用することができます。
人間である以上悩みは尽きないものですが、あまり悩みに振り回されないためにはおすすめの利用方法です。
例として、友人との待ち合わせで相手が遅刻しているとしましょう。
そのときあなたは友人に対してどう思いますか?
「病気や事故なんてことになってなきゃいいけど・・・」と心配するでしょうか。
「約束の時間にこないなんてなんてやつだ!」と憤慨するでしょうか。
「待ち合わせの場所を間違っているのかも・・・」と不安になるでしょうか。
これら湧き起こった感情は何が良くて何が悪いということはありません。
感情の善し悪しを問うのではなく、これらがPACモデルのどれに当てはまるのかを考えるのです。
上記の例の1番目ならNPといったふうにです。
この交流分析を行う際の注意ですが、善し悪しの判断をして、今後直していこうとはなるべく思わないようにしましょう。
自責の念を抱くとストレスになって、せっかくの交流分析も逆効果となってしまいます。
AC値が高くFC値が低い人は注意が必要です。
これは奔放さが少なく自己表現が苦手なことを表しており、心の病気にかかりやすいとされています。
対処法として、会話の際に「うわー!」とか「へぇー」など感嘆詞を多く使うとよいでしょう。
また、交流分析の実践と同時進行すると効果があるのが、NLPセラピーです。
NLPも自己実現や対人関係に深く関わる心理療法で、nlp理論には交流分析と近いものがあります。
興味を持ってNLPを学ぶだけでも、効果のほどが分かるかと思います。

交流分析・・・エゴグラム

交流分析では、人間には誰でも5つのキャラクターがあるとされています。
5つのキャラクターとは、以前に説明した交流分析に重要なPACモデルによるものですが、もう一度簡単にまとめてみます。

【CP】・・・規範的かつ正義的な親
【NP】・・・優しく保護的な親
【A】・・・冷静で客観的な大人
【FC】・・・自由奔放で想像力のある子供
【AC】・・・協調性がありおとなしい子供

コアトランスフォーメーションなどNLPのように、交流分析でも以上5つのバランスを表したエゴグラムが使用されます。
エゴグラムから見られるのは10のタイプ。それらそれぞれがその人の行動パターンや性格の特徴を表しています。
タイプはそれぞれ以下のとおりです。

1・円満タイプ
思いやりがあって優しいことが分かります。周囲の人たちとよりよい人間関係を築くには理想的なタイプです。

2・合理的タイプ
「1」と近似のタイプですが、あちらが暖かみのあるのに対し、こちらは冷静であることが重視できます。
日本において理想的なのは「1」ですが、欧米ではこちらが理想的と言われています。

3・自己犠牲タイプ
他人に対しては優しいのですが、他人の気持ちを察することに気を遣いすぎてストレスとなってしまう危険性があります。

4・自己主張タイプ
「3」とは正反対の、自分にも他人にも厳しいタイプ。責任感が強くリーダーシップがある半面、対人関係でトラブルが起こりやすい面もあります。そんな人にお勧めなのが第3世代nlp。

5・葛藤タイプ
自分に厳しく、他人にも厳しく、後悔したり自分を責めることも多々ある、ストレスを抱え込みやすいタイプです。

6・癇癪タイプ
自他を否定しがちな余裕のないタイプです。

7・苦悩タイプ
完璧主義の人に多いタイプです。理想と現実の違いをなかなか認められず、それゆえ悩みを抱え込み、うつ病にもかかりやすいとされています。

8・明朗タイプ
ストレスのたまりにくいタイプで、明るい人が多いです。ただし、ワガママになりすぎないよう注意が必要。

9・ワンマンタイプ
責任感はあるのですが、融通が利かない頑固なタイプです。怒りやすくかつ反発もされやすいので、ストレスに注意が必要です。

10・人頼みタイプ
他人への気遣いはできますが、リーダーシップは薄く面倒見も苦手です。なかなか自信を持てず、悩みも多いタイプです。

交流分析・・・PACモデル

交流分析を提唱したのはエリック・バーンという精神科医です。
エリック・バーンは人の自我状態には3種類あると仮定しました。
それが以下に説明するPACモデルです。

【P】・・・Parent
両親や親代わりの行動パターンを無意識に模倣する状態。
子供をあやすように接する状態が代表として挙げられます。
また、他の例として、幼い頃に親の叱り方を学んで、成長後にそれと同じように叱ることなども含まれます。

【A】・・・Adult
今現在起こっている物事に対して、冷静に考えて行動する状態。
この場合の行動には、大人としてのこれまでの経験や知識が活かされていると同時に、自分を客観的に評価する傾向がみられます。

【C】・・・Child
子供の頃の行動パターンを同じように繰り返す状態。
主に感情的な行動や感情表現がこれにあたります。
例えば、叱られた場合に、反省して改善に努めるのではなく、叱られたことに屈辱を感じたり叱った人に対して怒りを覚えるといったことなどです。

さらに、PとCは以下の二つずつに分割できます。

【P】
Nurturing Parent・・・保護的、寛容的な親
Critical Parent・・・規範的な親

【C】
Free ChildまたはNatural Child・・・自由奔放な子供
Adapted Child・・・他者に順応する子供

以上それぞれの状態は個人の行動、言動、思考などに強く影響を与えると考えられています。
影響を与えた結果、積極的なプラスの方向に働くのか、悲観的なマイナスの方向に働くのかを分析するのが、交流分析です。