交流分析の専門家でなくとも、PACモデルさえ知っていればそれを利用することができます。
人間である以上悩みは尽きないものですが、あまり悩みに振り回されないためにはおすすめの利用方法です。
例として、友人との待ち合わせで相手が遅刻しているとしましょう。
そのときあなたは友人に対してどう思いますか?
「病気や事故なんてことになってなきゃいいけど・・・」と心配するでしょうか。
「約束の時間にこないなんてなんてやつだ!」と憤慨するでしょうか。
「待ち合わせの場所を間違っているのかも・・・」と不安になるでしょうか。
これら湧き起こった感情は何が良くて何が悪いということはありません。
感情の善し悪しを問うのではなく、これらがPACモデルのどれに当てはまるのかを考えるのです。
上記の例の1番目ならNPといったふうにです。
この交流分析を行う際の注意ですが、善し悪しの判断をして、今後直していこうとはなるべく思わないようにしましょう。
自責の念を抱くとストレスになって、せっかくの交流分析も逆効果となってしまいます。
AC値が高くFC値が低い人は注意が必要です。
これは奔放さが少なく自己表現が苦手なことを表しており、心の病気にかかりやすいとされています。
対処法として、会話の際に「うわー!」とか「へぇー」など感嘆詞を多く使うとよいでしょう。
また、交流分析の実践と同時進行すると効果があるのが、NLPセラピーです。
NLPも自己実現や対人関係に深く関わる心理療法で、nlp理論には交流分析と近いものがあります。
興味を持ってNLPを学ぶだけでも、効果のほどが分かるかと思います。
交流分析では、人間には誰でも5つのキャラクターがあるとされています。
5つのキャラクターとは、以前に説明した交流分析に重要なPACモデルによるものですが、もう一度簡単にまとめてみます。
【CP】・・・規範的かつ正義的な親
【NP】・・・優しく保護的な親
【A】・・・冷静で客観的な大人
【FC】・・・自由奔放で想像力のある子供
【AC】・・・協調性がありおとなしい子供
コアトランスフォーメーションなどNLPのように、交流分析でも以上5つのバランスを表したエゴグラムが使用されます。
エゴグラムから見られるのは10のタイプ。それらそれぞれがその人の行動パターンや性格の特徴を表しています。
タイプはそれぞれ以下のとおりです。
1・円満タイプ
思いやりがあって優しいことが分かります。周囲の人たちとよりよい人間関係を築くには理想的なタイプです。
2・合理的タイプ
「1」と近似のタイプですが、あちらが暖かみのあるのに対し、こちらは冷静であることが重視できます。
日本において理想的なのは「1」ですが、欧米ではこちらが理想的と言われています。
3・自己犠牲タイプ
他人に対しては優しいのですが、他人の気持ちを察することに気を遣いすぎてストレスとなってしまう危険性があります。
4・自己主張タイプ
「3」とは正反対の、自分にも他人にも厳しいタイプ。責任感が強くリーダーシップがある半面、対人関係でトラブルが起こりやすい面もあります。そんな人にお勧めなのが第3世代nlp。
5・葛藤タイプ
自分に厳しく、他人にも厳しく、後悔したり自分を責めることも多々ある、ストレスを抱え込みやすいタイプです。
6・癇癪タイプ
自他を否定しがちな余裕のないタイプです。
7・苦悩タイプ
完璧主義の人に多いタイプです。理想と現実の違いをなかなか認められず、それゆえ悩みを抱え込み、うつ病にもかかりやすいとされています。
8・明朗タイプ
ストレスのたまりにくいタイプで、明るい人が多いです。ただし、ワガママになりすぎないよう注意が必要。
9・ワンマンタイプ
責任感はあるのですが、融通が利かない頑固なタイプです。怒りやすくかつ反発もされやすいので、ストレスに注意が必要です。
10・人頼みタイプ
他人への気遣いはできますが、リーダーシップは薄く面倒見も苦手です。なかなか自信を持てず、悩みも多いタイプです。